新すみれ通信 LETTER
すみれ通信2024年12月号
口腔ケアでインフルエンザ予防
今年はインフルエンザの流行が既に始まっています。風邪に比べて症状が重く、乳幼児や高齢者は重症化することもあります。昨今、TVや新聞等で様々な予防方法が取り上げられていますが、その中でも「口腔ケア」が高齢者のインフルエンザの予防に良いと注目されています。どのように効果があるのでしょうか?
★インフルエンザはどのように感染するの?
インフルエンザの感染経路は、咳やくしゃみが飛沫したものを吸い込む飛沫感染と、ウイルスが付着したものに触れたりする接触感染です。
鼻やのどの粘膜に付着し細胞内に侵入したインフルエンザウイルスは、プロテアーゼやノイラミニダーゼという酵素を使って、自分の体を細胞内に放出し、増殖して感染を拡大します。
★高齢者への口腔ケアによるインフルエンザの予防効果が実証された!
ある実験で、在宅療養中の高齢者を口腔ケア群とコントロール群の2グループに分けました。口腔ケア群は歯科衛生士による専門的口腔ケアと集団口腔衛生指導を、コントロール群は本人や介護者による従来の口腔ケアを行い、インフルエンザの流行する冬期6ヶ月の発症者を追跡しました。その結果、口腔ケア群はコントロール群に比べ、インフルエンザ発症者が1/10であることが分かりました。
★インフルエンザを予防するには
インフルエンザの予防には、なんといってもワクチンの接種が有効です。ワクチンを打っても感染することがありますが軽くてすみます。そして、マスクの着用とうがいによる飛沫感染の予防、手洗いによる接触感染の予防が大切です。さらに、丁寧な歯磨きです。朝起きてすぐ、毎食後と寝る前に歯磨きをすることで、口腔内に入ったインフルエンザウイルスを流しだしましょう。
★クリーニングを受けましょう
ところで、どんなに丁寧に自分で歯磨きしても、汚れは6割程度しか取れていません。残った汚れは、歯科医院でのプロの手で掃除をする必要があります。当院では歯科衛生士が様々な器具や機械を使い、歯と歯の間や歯と歯肉の境目などの汚れ・歯垢(プラーク)・歯石を徹底的に除去し、歯周病や虫歯の発生を抑えることができます。3か月~4か月に一度は、プロフェッショナルによる口腔ケアを受けてみてはいかがでしょうか。この時期、インフルエンザの予防効果もあるかもしれませんね。