新すみれ通信 LETTER
すみれ通信2024年8月号
お口のなかに銀歯はありますか?
暑い夏、冷たい飲み物を飲むとズキーンと痛みが知り、その原因が銀歯だったというケースは少なくありません。みなさんのお口のなかに銀歯はありますでしょうか?
数年前までは虫歯治療は銀歯が主流でした。日本で多く使われている銀歯は金・銀・パラジウムなどの金属をかけ合わせた「金銀パラジウム合金」と呼ばれる金属です。加工しやすいため保険治療で使われており、何らかの形で口の中に銀歯が残っている成人は全体の7~8割を占めると言われています。
しかし、欧米ではセラミックの治療が一般的であり、銀歯はほとんど使用されていません。ドイツではパラジウムが体に与える悪影響の観点から使用禁止の勧告がされており、スウェーデンにおいては小児・妊婦への使用が禁止されています。
銀歯は、保険制度によって安価に使用できることがメリットですが、ロシアのウクライナ侵攻で、金銀パラジウムの価格が高騰しており、患者さんの負担も以前に比べて多くなっています。
銀歯のデメリット
金属アレルギーを引き起こしやすくなる
お口の中の銀歯が唾液に触れると、金属の成分が溶け出して金属イオンになります。この金属イオンが体の中のたんぱく質と結合してアレルギーの原因となるアレルゲンとなり、時間とともにこのアレルゲンが体内に蓄積され、金属アレルギーを引き起こすリスクが高まってしまいます。
二次むし歯になりやすくなる
銀歯は高温になると金属が膨張し低温になると収縮しますが、歯と熱膨張係数が違うので、熱いお茶を飲んだり、冷たいアイスを食べたりしたときに、金属と歯をくっつけているセメントが剥がれ、そこから唾液が入りこんで銀歯の下が虫歯になってしまうのです。
歯は何度も治療できないので、長持ちするセラミックがお勧め!
銀歯の下が虫歯になっても、また治療をやりなおせばいいじゃないか、とお考えの方もいると思います。しかし、治療を繰り返すたびにむし歯になったところを削るので、三度ぐらい繰り返すと神経を抜かなければならなくなってしまいます。
最近は保険でもプラスチックとセラミックを混ぜた白い歯を選べるようになりました。
CAD/CAMインレーやCAD/CAM冠(スキャンした画像をコンピューターにより設計製造した詰め物やかぶせ物)です。また、自費診療でのセラミック治療も行っておりますので、銀歯から白い歯にとり替えていくことが可能です。どちらも嘔吐反射を軽減した口腔内スキャンで作製できます。ぜひお気軽にご相談ください。