新すみれ通信 LETTER
すみれ通信2021年11月号
口腔がんは早期発見が大切
口腔(こうくう)とは,お口の中全体を指します。そして、そこにできるがんを総称して「口腔がん」と呼んでいます。タレントの堀ちえみさんの罹患で注目されました。舌や頬、歯ぐきなど、様々な部位にできますが、最も多いのは舌にできる舌がんです。日本では年間約8,000 人(2016 年)が口腔がんになります。がん全体のおよそ1%ですが、年々増加しており、30 年前と比べると約3 倍に増えています。
口腔がんは、初期症状のうちに発見すれば簡単な治療で治すことができ、後遺症もほとんど残ることはありません。しかし進行した口腔がんでは、手術により舌やあごの骨を切除するため、顔が変形することがあります。このため、日常の生活に大きな支障を残すことがあるのです。だからこそ、早期発見が重要です。
★口腔がんは痛みがない!?
口腔がんは痛みを伴わないものが多く、口内炎と間違われてしまうことがあります。口内炎は長くても二週間程度で治りますが、なかなか治らない場合は、口腔がんが疑われます。その他の特徴として、かみづらい感じがする、舌などにしびれを感じる、頬・舌に動かしづらさを感じる、首のリンパ節の腫れが3週間以上続く、などの変化や違和感が表れることもあります。
★自分で見つけましょう
口腔がんは、自分で見つけることができます。早く見つかればほとんどが治せるのです。月に一度、明るい場所で鏡を見ながら確認し、次の様な異常が見られたら歯科口腔外科にかかりましょう。
◆口腔がん自己チェックのすすめかた
- 下唇の内側と、下あごの歯肉とその間を見て、触ってください。
- 上唇の内側と、上あごの歯肉と、その間を見て触ってください。
- 頬の裏側の粘膜を見て、触ってください。
- 舌を前に出し、舌の両側、下側をよく見て触ってください。
- 下顎から首にかけて触って見てください。
◆こんな症状が見られたら、すぐに歯科口腔外科を受診しましょう!
- 口内炎や口の中の傷が2週間経っても治らない
- 口の中にしこりや腫れ、ザラザラしたところがある
- 口の中に色の違う部分がある(白斑や赤斑など)
- 口の中(舌・歯肉・頬粘膜・口唇・口蓋から出血する)
- 最近、痛みや腫れで急に入れ歯が合わなくなってきた
- 歯以外の所がしみたり、ヒリヒリする
- 噛んでしまった場所や、抜歯後の傷がなかなか治らない