すみれ通信 CATE01
すみれ通信
すみれ通信2019年3月号
3月3日はひな祭り。女の子がいるご家庭では、ひな人形や桃の花を飾り、ちらし寿司や蛤のお吸い物を食べてお祝いすることも多いでしょう。
さて、ひな人形のお内裏様とお雛様の下の段、真ん中に三人官女がいます。よく注意して見ると、口元が黒く塗られているのがわかります。これはお歯黒という昔の既婚女性の習慣です。お歯黒がいつから始まった習慣かはわかっていませんが、平安時代の女性は節目の年齢になると通過儀礼として歯を黒く染め、眉を剃り落としていました。黒は何色にも染まらない色なので貞操を意味し、既婚女性の誇り高い心の支えともなっていたようです。
お歯黒の成分は鉄漿水(かねみず)と呼ばれる酢酸に鉄を溶かした茶褐色・悪臭の溶液です。歯のエナメル質は最初の数ヶ月は中々染まりにくく、退色しやすく、歯を黒くするのはとても骨の折れる作業だったとか。歯が黒く輝いているほど美人であるとされたため、新婦の女性は毎朝、清掃と塗布を繰り返していたそうです。お歯黒には虫歯予防効果があり、お歯黒をしていた女性には、ほとんど虫歯がなかったそうです。今も昔も、綺麗な歯は美人の条件の一つなのですね!
着色の原因を知って、白い歯を手に入れよう!
★歯の着色の4つの原因
歯のエナメル質の表面は、ペクリルという薄い膜で覆われています。この膜に紅茶、緑茶、コーヒー等に含まれるタンニンや、タバコのヤニなどが付着・蓄積されて、ステイン(着色汚れ)になります。さらに着色汚れは、ペリクル層の中にあるエナメル質とイオン結合することによって、歯磨きだけでは落とせなくなっていきます。特に、たばこに含まれるタールはペクリルと結びつきやすい性質があり、頑固な着色汚れとなります。
◆加齢による変色
歯のエナメル質の下には、少し黄色がかった象牙質があります。年を重ねるにつれ、エナメル質が薄くなり、象牙質が透けて見えやすくなるので、歯が全体的に黄色く、くすんで見えるようになります。
◆抗生物質の副作用による変色
「テトラサイクリン系」の抗生物質を多く服用すると、象牙質に帯状茶褐色色素沈着や場合によっては歯全体が変色することがあります。
◆そのほかの原因
歯の神経を除去した後に、歯が黒っぽくくすんでしまったり、フッ素の過剰摂取や栄養障害、ホルモン異常などで変色してしまう事もあります。
ホワイトニングは、加齢や遺伝などによって黄ばんでしまった歯を削ったりすることなく、安全が確認されている専用の漂白剤で漂白していく方法です。漂白作用で歯の中にある色素を分解して明るさを上げて白くしていきます。通常は、シェードガイド(図のような歯の色をみる指標)で5段階から7段階白くなります。ホワイトニングはオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの2種類の方法があります。ただし、1年程度で色が戻りがちになるので、両方を組み合わせて長期間白さを保つこともできます。
◆オフィスホワイトニング
歯科医院で歯科衛生士に行ってもらうホワイトニングです。歯に専用の薬剤を塗布し、レーザーや光を当てて白くします。短時間で歯を白くでき医院でやるので安心です。すぐに歯を白くしたい人や、不安がある人におすすめです。1年程度で色が戻るので、毎年繰り返して処置を受ける必要があります。
◆ホームホワイトニング
歯科医院で個人の歯形に合わせたマウスピースを作り、自宅でホワイトニングジェルを流し込んだマウスピースを装着して、自分で歯を白くしていく方法です。歯の白さを実感するには2週間以上の時間を要しますが、オフィスホワイトニングより白さが増し、持続期間も長いという特徴があります。また、後戻りしたら自分で再度ホワイトニングをすることができるので経済的です。