すみれ通信 CATE01
すみれ通信
すみれ通信2018年10月号
秋は食べ物がおいしく、食事が楽しい季節ですね。プリプリのエビ、シャキシャキのレタス、コシのあるうどん、パリパリのお煎餅など。ところで、これらの食感はどうやって感じているのでしょうか。
歯自体は食感を感じることはできません。では歯の神経?それとも歯茎や舌でしょうか。
正解は、歯根膜(しこんまく)です。歯根膜とは、歯の根っこと歯槽骨を結びつける0.5mmほどの繊維性のとても薄い膜です。歯にかかる力を吸収・緩和し、歯に加わる力が直接歯槽骨に伝わるのを和らげるクッションの働きをしています。この薄い膜に、ミクロン単位の厚みまで感じることができる人体で最も鋭敏な神経が張り巡らされています。私たちは、この薄い膜に加わる力の圧力を感じて、食べ物の食感を楽しむことが出来るのです。しかし、歯根膜は歯を失うと一緒になくなってしまいます。総入れ歯になってしまうと、もう食感を取り戻すことは出来ないのです。
食べることは生きること。いくつになっても食事を楽しめる様に、日々の歯磨きを丁寧に。そして
当院でのクリーニングを受け、虫歯や歯周病のない健康なお口を目指しましょう。
もしも歯を失ったらどんな治療法があるの?
★歯を失うとどうなるの!?
もしも虫歯や歯周病、事故などで歯を失ってしまったら…。抜けた歯の部分をそのまま放置しておいてはいけません。歯列はラグビーのスクラムのように互いに支え合っているので、歯が抜けたところに隣の歯が倒れてきたり、反対側の歯が出てきたり、全体の歯並びが崩れてしまい様々なトラブルを招く恐れがあります。また、歯は歯槽骨に支えられており、顎の骨は歯から噛む力を受けることで高さと幅を維持しています。歯が抜けて噛む刺激が伝わらなくなると、やがて骨が吸収され顎の骨まで痩せてしまいます。これが何年かすると入れ歯が合わなくなる原因の一つです。
★治療法その1:ブリッジ
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を小さく削り、その歯を土台にして何本かつないだ人工の歯を固定する方法です。ブリッジにするには両隣に健康な歯があることが条件です。固定式で違和感がなく見た目も自然ですが、デメリットは健康な歯を小さく削ること、人工歯の部分が不潔になりやすいこと、支台歯が大きな荷重をうけるため、やがて抜けてしまう危険があることです。
★治療法その2:入れ歯
入れ歯は、抜けた歯が1本でも飛び飛びでも、条件に合わせて作ることが出来ます。また、周りの歯を傷つけることなく製作することができます。デメリットは、噛む力が健康な時の20%~40%に低下してしまうこと、部分入れ歯はバネをつける箇所を削るため、そこが虫歯になりやすいこと、バネが目立つこと、臭いがすること、食後に外して掃除しなければならないことです。
自費では、他人に気付かれにくい金具を使わないノンクラスプデンチャーや、しっかり固定できるマグネット式義歯、食べ物の温度が分かる金属床義歯など高性能義歯をお選びいただけます。
★治療法その3:インプラント
歯を失った部分のあごの骨に、チタンで作った人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を固定する方法です。人工歯根は骨と一体化するため違和感がなく、見た目も自然で、噛む力も健康なときとほぼ同等に回復します。デメリットは手術が必要なこと、天然歯と同様に歯周病(インプラント周囲炎)になるため、丁寧な歯磨きと定期的なメンテナンスが必要なことです。残念ながらヘビースモーカーや重度の歯周病の方、骨粗しょう症の方はインプラントができません。
今回は、もしも歯を失ってしまったら、ということで治療方法を紹介しました。虫歯や歯周病で大切な歯を失うことがないように日頃から予防を心がけましょう!